ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

   偽りの恋 ⅩⅧ  

 そこへ、坂本が疲れた顔で帰って来た。
「坂本さん、お帰り・・」
「あれ、はよ戻ったかいな?」
「ええ、適当にぶらついて、帰ってきました」
「なんや、なにもせ~へんでか?」
 坂本は呆れた顔をした。
「当たり前でしょう。ほな、坂本さんは、どないやねん?」
「アハハ・・、けったいな、大阪弁やな。金ちゃんは、ほんまにおもろいわ」
 傍で聞いていた仲間も、一緒に笑い出した。
「じゃ、楽しかったんですか?」
「いや、めちゃアカンわ。誘ったら、叩かれてしもうた。ほんま、しんどかった」
 坂本は、肩を落とし部屋へ戻った。
「今の話は、なんだい?」
「俺も、興味津々だよ。何が、あったん?」
 佐川と大島が、俺に質問する。俺は、デートを仕掛けた坂本の計画を、かいつまんで説明した。もちろん、俺の内容は伏せた。
「なんじゃそれは、大阪人らしい発想だな」
 しばらく雑談をしてから、部屋に戻る。ベッドに横たわると、佐藤のことを考えてしまった。
《あまり深入りしては、佐藤さんが可哀そうだ。俺だって、戻れなくなる。人間の欲望って、怖いよな。理性を失ったら・・》
 俺は、そのまま眠ってしまった。
 浜辺の波打ち際、佐藤とデートをしていた。陽が燦々と照りつける。彼女の唇が、俺の心を弄ぶように誘う。甘い誘惑に負けた俺が、鮮やかな白い肌の肩を抱く。その瞬間、背後に人の気配を感じた。チラッと目を向ける。俺を見下ろす、あの人が立っていた。
 けたたましい音に、パッと目が覚める。枕元の目覚まし時計の音だった。
《ふぅ~、なんて妙な夢を見たんだ》
 直ぐに起き上がり洗面所へ行き、冷たい水で顔を洗った。  

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