ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

続 忘れ水 幾星霜 (別れの枯渇)Ⅳ 

 翌週の日曜日、ミサの後に洗礼を受けた。洗礼名はマルシア。マルガリータ園長、佐和やマルコスなどが参列して、洗礼の儀式を見守る。神父が、亜紀の頭上に聖水を注ぐ。
《そう、この水が永遠の忘れ水ね》
 亜紀の左手の薬指と首かざりの指輪が、一瞬の温もりを感じさせる。それは、輝明が彼女の洗礼を祝福したと亜紀は思えた。
《私は独りぼっちじゃぁ、ないわ》
 洗礼後、参列者から祝福のハグを受ける。
 礼拝堂を出ると、空を見上げた。真っ青な冬空に幾つかの白い雲。別々の雲が近くに寄り添い、手を繋ぐ様に見えた。
「ママィ、見てご覧よ。あの雲は、パパィとチア千香だね」
 空を見詰める亜紀の肩を、そっと抱きしめるマルコス。
「そうね。千香が輝君を誘って、遊びに来たのね・・」

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。