ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

   湖畔  (大河内晋介シリーズ第五弾)Ⅲ

 その後、一週間が過ぎた。助手たちは、資料集めや情報収集に奔走している。
「あっ、先生。ご無沙汰です」
 私が帰宅の準備をしていると、福沢准教授から電話が掛かって来た。会って話がしたいと言う。
「じゃぁ、これからでも・・」
 新宿で待ち合わせをする。福沢が推奨する中華飯店へ行く。食事をしながら、福沢の話を聞いた。
「今、畠山君たちが情報を集めています」
 しばらく何もなかったので、私も興味が湧いてきた。
「面白い話ですね。冥府との関連はなさそうですが、御堂さんに連絡してみます」
「お願いします。それにしても、御堂さんに会いたいですね・・」
「あれ、御堂さんに惚れたのですか?」
「ま、まさか・・。惚れるような存在じゃ、有りませんよ。でも、会うと妙に心が落ち着くんです」
「だって、紗理奈さんのご先祖でしょう。やはり、恋した人の面影があるから、仕方ないと思う。そうでしょう?」
 福沢にとって、あの事件は忘れられない。
「まあ、そう言われれば・・。時折、思い出してしまう。辛いですね・・」
 存在しない人との思い出に、私の心も痛む。
「不可能でしょうかね?」
 不意に真剣な面持ちで、私の顔を覗く。
「えっ、何をですか・・」
「いや、御堂さんがこの世に現れる。と言うことは、彼女だってこの世に・・」
 私は唖然とした。一度も思ったことが無いからだ。
「あ~、確かに考えられる話だ。でも、恐らく冥府の規律があって、困難でしょう」
 機会があったら、尋ねてみようと思った。

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