ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

 微雨のささめき(大河内晋介シリーズ第四弾)ⅡⅩⅧ 

 千代と御堂が別れの挨拶をした。
「若月さん、これであなたも平穏に暮らせるでしょう」
「はい、ありがとうございます」
 若月は丁寧に礼を言った。
「それで、この若者たちの記憶を消しますが、宜しいですね?」
 御堂が、私と福沢に念を押す。
「その件ですが、今後の活動を継続させるために、許される範囲で残せませんでしょうか?」
 福沢准教授が、御堂に請願する。
「はい、わたくしの一存では、決め兼ねます。しばらく、お待ちを・・」
 御堂が千代に近寄り、小声で話を交わす。千代が頷き、御堂が深々と礼をした。
「典侍様から、許可を得られました。ただ、決して口外しない。それに、福沢先生の指導で活動して下さい。もし、身勝手な行動をすれば、権助のように処罰されます」
 御堂の言葉に、畠山や助手のメンバーが目を輝かす。
「それでは、今後も邪鬼などを探すことが、許されるのですね?」
 畠山が、決意の面持ちで尋ねた。
「ええ、邪鬼だけでなく、他の怨霊も見えます。ですから、ややもすれば恐ろしい体験を、するかもしれません」
「そうだよ。見えることは、却って怖いと思う」
 自分の経験から、若月が付け加える。二人の女子が、体を強張らせた。
「だから、常に私の指示を仰ぐことだ。あとで、研究室に集まり、協議しよう」
 助手たちの心を読み、アドバイスする。
「はい、分かりました」
「御堂さん、了解しました」
 横で聞いていた私は、千代に黙礼する。
「大河内さん、冥府とこの世の橋渡しを、私が承っております。例の道祖神が連絡場所となりますので、方法は後日にお伝えします」
 目の前の観音像が、光り輝き出した。
「それでは、失礼します。目を閉じてください」
 

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