ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

 微雨のささめき(大河内晋介シリーズ第四弾)ⅩⅣ 

 昼時間に、若月が迎えに来た。一緒に食事するが、今夜の約束を話すべきか私は迷う。
「主任、箸が動かないですが、お腹が空いていないんですか?」
「ん? いや、考え事をしていたんだ」
「何をですか? 私に話せば、楽になりますよ」
 若月らしいと思った。私は決心する。
「実はな、今朝のことだが・・」
 有りのままに、説明した。名刺も見せる。
「そんな美しい女性で、千代さんに似ている。本当ですか?」
 瞳を輝かせた。でも、直ぐに訝る。
「なんだよ、その目つきは・・」
「だって、本当は私抜きで会うつもりだった。そうでしょう?」
「いやしくも、私がそんなことをするか! 迷う理由が有るからだ」
 後ろ暗い本心を見抜かれ、私は焦り高飛車な態度に出た。
「ご、ごめんなさい。つい、千代さんを思い出し、羨ましくて・・」
 彼の謙虚な態度に、私も迂闊な発言をしたと後悔する。
「いやいや、私も悪かった。ただ、相手の存在が不明だから、最初は私だけで会おうと思った。でも、今夜は一緒に行こう」
「ほ、本当ですか。あ~、良かった」
 彼は笑顔を満面に見せる。今回の問題は彼が中心だから、迷う必要はなかった。私も納得し、胸を撫で下ろす。
「福沢先生にも、知らせるべきか悩んでいる。若月は、どう思う?」
 若月は一瞬首を傾げるが、明確に答えた。
「知らせるべきだと思います。先生もこの戦いの仲間ですよ」
「そうだな。戦う仲間で、それに知識が豊富だものな・・」
 私は、その場で連絡する。
「ええ、分かりました。必ず、伺いますので、後ほど場所を知らせてください」
 大まかに説明すると、やはり福沢も喜んだ。
「ところで、主任。場所は、どこで落ち合う予定ですか?」
 彼女が敵味方のどちらなのか、危ぶんでいる。だから、約束時間ぎりぎりまで決めないつもりでいた。邪鬼のヤツらに漏れたら大変だ。

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