ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

 微雨のささめき(大河内晋介シリーズ第四弾)ⅩⅤ 

「ええ、主任。私も、おやっと思いました」
 注文した料理が来る前に、飲み物で乾杯。若月が、気持ち良さそうにビールを飲む。福沢は赤ワインを、味わいながら飲んだ。私は相変わらずコカ・コーラで済ませる。
「ところで、高崎の洞窟観音は、いかがでしたか?」
 福沢が、カバンからパンフレットを取り出す。
「これです。いや~、見事な場所でした」
 私と若月が、見せられたパンフレットを覗き込む。内容を読んだ私は、驚き感心する。
「これは、素晴らしい。早く行きたいですね」
「そうでしょう? ここなら、冥府との連絡が可能に違いない」
 福沢も行った甲斐が有ると喜ぶ。
「じゃ、いつ行くのですか? 主任・・」
「うん、次の土曜日か日曜日だな。多分・・」
 この段階では、確かな返事ができない。
「早くしないと、私が食い殺されてしまう」
「えっ、食い殺されるって、どうしてですか?」
「実は・・」
 昨晩のことを、福沢に説明した。
「それは、また怖い話ですね。尚更、綿密に打ち合わせ、早く対処しないと・・」
 福沢は驚きの表情で、若月を見た。
「私だけでなく、主任も狙われています。もしかしたら、福沢先生だって危ないかもしれませんよ」
 若月は視線を福沢に合わせ、怖さを共有しようと思っているようだ。
「もちろん、私も理解している。相当な覚悟が必要と思われる」
 若月の意見に対し、真摯な態度で福沢が受け止める。
「相手も、真剣勝負で向かってくると、私は考えている。だから、三人でしっかり計画を練らないといけない。分かったか、若月よ」
「ええ、そうですよ。私も大学の文献を調べ、完璧な対応を探します」
 人間対邪鬼の戦いだ。簡単には行かないだろう。それには、冥界の助けがいる。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。