ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

 微雨のささめき(大河内晋介シリーズ第四弾)Ⅶ

「でも、後で不味いと思い、直ぐに引き返したけど・・」
 若月は浮かない顔をする。
「それで、どうしたんだ」
「ええ、女の子の姿は消えていた。ただ、座席がそのまま濡れていました」
 妙にうさん臭い感じがする。
「何か、他に感じたことは無いか?」
 彼は困惑しているようだ。
「ん~、どうなんだろう。よく分かんないですが、嫌な臭いがした」
「えっ、どんな臭いだった?」
「はい、邪鬼の臭いです。それも、権助と同じ生臭さでした」
 どう考えたらよいのか、私は思案に暮れた。
「若月、どうも狙われているようだ」
「私が、ですか・・」
「あぁ、そうだ。中古の車や女の子は、若月をおびき寄せる罠だ」
 目を丸くし、驚愕する。
「どうして、私を狙うんですか?」
「恐らく、前回のことで恨んでいる。奴らは執念深く、腹いせに君を殺すつもりだ」
 殺すと言う言葉に、彼が怖じ気づく。
「そんな、主任を手伝っただけですよ。理不尽な話だ」
「とにかく、車を調べよう・・」
 外にある車を、二人で隅々まで調べる。若月には区別できない、邪鬼の爪痕があった。
「主任、何も有りませんね」
「まあな・・」
 邪鬼は必ず動き、若月を冥府の境界線へ呼び込むだろう。
「大河内主任・・。もし、邪鬼が私を殺すつもりなら、どんな方法ですかね」
 彼らは、バラバラに引き裂き、食い殺すしかない。私が伝えると、真っ青な顔をして震えあがる。


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