ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

 微雨のささめき(大河内晋介シリーズ第四弾)Ⅴ

 その声は、雑音に抗い必死に呼びかける。
「助けて~、私を、ザザー、ガガッ・・助けて、ザザーッ、お願い」
 私は声を振り絞って、応えた。
「分かった。ただ、内容を詳しく説明してくれ」
「うん、ガガッ、ガガ~、でも、後で・・」
 消えてしまった。
「若月、この車を買った販売店は、どこだ?」
「あ~、これはネットで探しました。奇妙なことに、販売店は分かりません。指定された口座に、金額を支払うと・・」
 若月が黙って考える。
「支払うと、どうしたんだ?」
「ええ、実は全額払っていないんです。たった5万円を、頭金で支払いました」
「たった5万円の車?」
 彼はきまりが悪く、わざとらしい咳払い。私は笑ってしまった。
「何が可笑しいのですか? 騙したつもりは、ありませんよ」
 手元の缶コーヒーを飲み干し、彼は一気に説明する。
「翌日に車が届き、喜んでチェックしました。何も問題無く、直ぐに残金を払うつもりでいた。でも、ATMで振り込もうとしたら、口座が消えて払えない」
 私にお手上げの顔を見せる。私も不思議に思った。
「ネット・オークションも調べたが、抹消されている。狐につままれた感じです。今でも連絡を待っていますよ」
「だけど、本当の金額は幾らで買ったんだい?」
「ええ、130万円です。普通なら、中古でも200万円以上ですよ」
 ますます変な話だと、私と若月は考えた。
「次の日曜日、予定は有るかい?」
 私が思うことを、彼に説明する。日曜日に、この車の隅々を調べることにした。

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