ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

   偽りの恋 ⅤⅩⅠ 

 泊まるより、一緒に弥彦へ行った方がいいと思った。
「分かった、アニキに頼んで車を借りるよ」
 携帯で兄貴に電話した。会社の車は、お盆中だから使用しないという。
「千恵ちゃん、弥彦まで車で送るよ」
「え~、本当に?」
「ああ、本当だよ」
 千恵が喜ぶ。内心、俺も喜んでいた。
「じゃ、近くのファミレスに行こう」
 喫茶店を出た。駅ビルの中を歩く。千恵の小さなボストン・バックを俺が持つ。
「ありがとう、金ちゃん・・」
 俺の腕に、千恵が腕を絡ませてきた。千恵の冷えた肌が、俺の肌を心地よく冷やす。一瞬焦ったが、態度を見せないよう堪える。
「ふふ・・、嬉しい」
 俺の顔を覗きながら、嬉しそうに微笑む。俺の腕を強引に引き寄せた。
「おっ、・・・」
「えっ、どうしたの?」
 引き寄せられた腕が千恵の胸に押しつけられ、弾力的な感覚を意識した。
「いや、千恵ちゃんって、意外にふくよかなんだね」
「何よ、ふくよかって? あ~、変なこと考えたでしょう?」
 俺は狼狽え、腕を引き離そうとした。
「ダメ! このままで、いいの・・」
 冷や汗が噴き出るようだ。完全に前頭葉を支配されている。
 ファミレスに着くと、彼女に食事の注文をさせた。俺はその間に、車を借りに行く。着替えると直ぐに戻った。
「ゆっくり食べてから、出掛けるね」
「うん、いいよ。でも、どこかで着替えたい」
 またまた、困らせる発言。俺は思案に暮れる。
「分かった。これから、兄貴の会社へ行こう。今日は休みだから、工場には誰もいないよ」
 食事を早く済ませ、会社に行く。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。