ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

   偽りの恋 ⅢⅩⅢ 

「ところで、三浦半島の件だけど?」
「うん、何が?」
「経費とか、詳しいことが知りたい」
 大山の説明では、費用は寮の参加者が負担する。相手の女の子たちは、食事代だけだ。バス内の席も抽選で決めるという。
「バスは、どこから借りるのさ?」
「ああ、レンタカーだよ」
「運転は・・」
「寮長の海田さんが、運転するよ。心配ない」
 俺はなんとなく納得する。
 その旅行の前日になった。
「そろそろバスが来るけど、夜になったら試運転に出掛けるぞ」
 海田が、夕食のときに話す。
「えっ、どこへ行くんですか?」
 矢崎が目を輝かして聞く。
「まあ、適当に走らせるさ」
 しばらくして、バスが到着。ワイワイと大騒ぎになった。
「予想していたより、まともじゃないか」
 海田が喜んだ。
「そうですね。予算がぎりぎりだから、もっと悪いと思っていました」
 木村も満面笑顔だ。
「じゃ、九時に出発だ。行きたい人間は、五分前に集合。いいな?」
 三人が寮に残り、七人が乗った。俺も参加する。
 バスは、小田原方面へ向かう。
「エンジンは問題無い。だけど、ギヤがちょっと硬いなあ」
 運転しながら、首を傾げる海田。一時間ほど走ると、ガキッと音がした。
「わっ、なんだ。えっ、ギヤ・ステッキが折れちゃったぞ」
 海田がすっとんきょうな声をあげた。他のメンバーが、前のめりに覗く。
「え~、どうするんだ」
「やや、こりゃ大変だ」
 それぞれが、好き勝手に騒ぐ。
「まあ、騒ぐなって」
 やはり、選ばれた寮長だけあって落ち着いている。

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