ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 偽りの恋 愛を捨て、夢を選ぶが・・。
 謂れ無き存在 運命の人。出会いと確信。
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物。笑い、涙、ロマンス、親子の絆。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。
 忘れ水 幾星霜  山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズ第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 大河内晋介シリーズ第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 大河内晋介シリーズ。夢に現れる和服姿の美しい女性。
 ア・ブルー・ティアズ(蒼き雫)夜間の救急病院、生と死のドラマ。

   偽りの恋 ⅩⅠ 

 レストランを出る。ぶらりと散策した。
「金ちゃん、あの洋風のお城は、何?」
「あ~、あれか。喫茶店だよ」
 二年前に、入ったことがある。
「私、入ってみたい。行こうよ・・」
 俺は迷った。
「行こうよ、ね?」
 腕を掴まれ、仕方なく歩く。目の前に着いた。
「さあ、さあ、入ろう・・」
 ほとんど、強引に引っ張られる。
 中に入る。一階の奥に向かうつもりが、佐藤が二階の階段を上り始めた。
「佐藤さん、こっちじゃないよ」
 階段横に、上は同伴喫茶と書かれてある。
「え、何んでダメなの?」
「ほら、ここに書いてあるよ。二階以上は、同伴喫茶になっている」
「あら、本当だ。でも、いいじゃん。上に行こう」
 佐藤は俺の手を握り、離さない。思い出の一般席でなくて、良かったかもしれない。俺は階段を上がる。
「全然、雰囲気が違うのね」
 確かに、席は一方向に並び、カーテンで仕切られたいる。俺は一瞬困惑した。
「金ちゃん、ここに座ろう」
「あ~ぁ、分かった」
 ウエーターが、注文を聞きに来た。
「アイスコーヒーを二つ・・」
「はい、かしこまりました」
 二人は落ち着かない雰囲気になった。
「金ちゃんは、初めてなの?」
「俺かい、いや初めてじゃないよ」
 俺はうそぶく。
「やっぱりね・・」
「何が、やっぱりなんだ?」
「だって、そんな感じがするもの」
 急に、俺の遊び心がときめく。

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