ウイルソン金井の創作小説

フィクション、ノンフィクション創作小説。主に短編。恋愛、オカルトなど

創作小説を紹介
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物が、世界大会に参加する。笑い、涙、ロマンス、親子の絆の物語。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。心意を確かめるために、行方不明の彼を探す。そして、ハワイ島へ。
 忘れ水 幾星霜  偶然の出会いが必然なのか、憧れは恋へ。恋は愛へ。山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。ひょんな出会いからの交流。そして・・。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズの第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 雨宿りに続く大河内晋介シリーズの第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 怪奇な夢を見続ける主人公。夢に現れる和服姿の美しい女性。それは不思議な縁から始まるものであった。
 ア・ブルー・ティアズ 入院中の父子が生死の別れ際に触れ合う姿。その様子見た主人公が、自らの父に対する情念を考える。また、夜間の救急病院で起きる生と死のドラマ。

   謂れ無き存在 ⅣⅩⅥ 

 ふたりは黙々と食べた。話をする暇も無く食べ終わる。
「ふぅ~、食べた、食べた。満足したよ」
「そうね。でも、デザートが食べたいな。洸輝は?」
「え~、まだ食べるの?」
「当たり前でしょう。デザートを食べなければ、食事が終わりと言えないわ。私はマンゴー・パフェにする」
 デザートの名前を聞いた途端に、俺も欲しくなった。
「俺も同じものでいいよ」
 ベルを鳴らし、デザートを注文する。俺はドリンク・バーに行き、二人分の紅茶を持って来た。真美は瞳をキラキラと輝かせて、礼を言う。
「センキュウ、ダーリン!」
「ノウ、サンキュウ、マミ!」
 彼女は一瞬驚き、目を見張る。
「アッ、英語を喋った・・」
「何も驚くことじゃ、無いよ。当たり前のことさ・・」
 真美が笑い出したので、俺も釣られて笑ってしまった。
「アハハ・・、愉快だわ。ウフフ・・」
「ハハ・・、別に・・、ハハ・・」
 笑いながらふたりの瞳が絡み合う。真美の顔が真剣になった。
「洸輝、約束してくれる?」
「何を?」
「あのね、あなたのお母さんが亡くなった場所と、お墓参りに行った後・・」
「・・・」
「私と一緒にアメリカへ行って欲しいの」
「どうして?」
「うん、ママに運命の人を紹介したいの。私の愛する洸輝を・・」
「そうか・・。真美のためなら、行ってもいいよ。だけど、喜んで貰えるかな?」
「大喜びするわよ。だって、洸輝はママの親友の子ですもの」
《アメリカなんて、俺には縁のない国。絶対に行けないと思っていた。それが、簡単に行くことになってしまった。なんだか俺の運命は、誰も想像できない方向へと向かっているようだ。果たして、これで良いのかな?》
「ほらほら、また余計なことを考えている。先生が言ったでしょう。洸輝の運命は、真っ白だって・・。徐々に運命の道が現れるの、それが現実よ。その現実を、理解しなければいけないの・・、洸輝は」
 半時後、不動屋さんを訪ね、アパートの解約手続きを済ませる。
「明恵母さんに会って、例の場所を聞き出さなければ・・」
「ええ、そうね。早く行きましょう」

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