ウイルソン金井

創作小説。ロマンス、怪奇、ユーモアなど。多岐チャレンジ中。

創作小説を紹介
 嫌われしもの 遥かな旅 99%の人間から嫌われる生き物が、世界大会に参加する。笑い、涙、ロマンス、親子の絆の物語。
 漂泊の慕情 思いがけない別れの言葉。心意を確かめるために、行方不明の彼を探す。そして、ハワイ島へ。
 忘れ水 幾星霜  偶然の出会いが必然なのか、憧れは恋へ。恋は愛へ。山野の忘れ水のように、密かに流れ着ける愛を求めて・・。
 青き残月(老少不定) ゆうあい教室の広汎性発達障害の浩ちゃん。ひょんな出会いからの交流。そして・・。 
 浸潤の香気 大河内晋介シリーズの第三弾。行きずりの女性。不思議な香りが漂う彼女は? 
 冥府の約束 雨宿りに続く大河内晋介シリーズの第二弾。日本海の砂浜で知り合った若き女性。初秋の一週間だけの命。
 雨宿り 怪奇な夢を見続ける主人公。夢に現れる和服姿の美しい女性。それは不思議な縁から始まるものであった。
 ア・ブルー・ティアズ 入院中の父子が生死の別れ際に触れ合う姿。その様子見た主人公が、自らの父に対する情念を考える。また、夜間の救急病院で起きる生と死のドラマ。

  嫌われしもの 遥かな旅 ⅡⅩⅠ 

 ブリジョンソンのうんざりする長い挨拶が終わり、各大陸代表の報告発表が始まった。
「初めに、ユーラシア大陸代表の方は、こちらへどうぞ」
 誰も壇上へ現れない。会場内がざわつき、ワシと黒ピカはキョロキョロと辺りを見渡した。
「お静かに願います。どうやら、ユーラシア大陸代表のイタリアのゴリジェラーノさんは、大会に参加できなかったようですね。それでは、アフリカ大陸代表のボツワナのゴキゴキさん、お願いします」
「皆さん、私はボツワナから来ましたゴキゴキです。宜しく! アフリカの状況を報告します。
 私たちの生活は、熱帯雨林が主な場所です。近年、世界の熱帯雨林が年々減少しています。私たちアフリカの熱帯雨林や大草原も、世界的な気候変化によって砂漠化が急速に進んでいます。
 それは、先進国の身勝手な近代化と新興国の無秩序な工業化が、世界的な気候変動を引き起こした結果です。
 アフリカに生きる動植物は、絶滅寸前の種族が多数います。私たちがいくら叫んでも、人間どもは受け入れてくれません。
 特にボツワナは、内戦によって困窮生活の人間が溢れています。そんな人間社会へ、仕方なく移り住む仲間が増えてきました。人間社会の生活は危険です。でも、私たち仲間が生きるためには、選択する余地はありません。
 以上、ボツワナの発表を終わります」
 ワシはこれが世界の現状だと思い、黒ピカに意見を聞いてみた。
「黒ピカよ、この発表をどう感じた?」
「はい、リーダー。オイラにはとても難しい内容ですね。この問題は、算数と同じく解けません。オイラの仲間には、自ら解決する能力は無いでしょう。だから、自然の風に吹かれるまま、必死に生きるだけでしょう」
 黒ピカが、意外な答え方をしたので、ワシは考えてしまった。
「そうだな、お前にしては素晴らしい答えだと思う」
 一緒に聞いていたゴキジョージが、ポツリと呟く。
「ハワイの仲間は、幸せな環境に住んでいると思うなぁ」
「えっ、ええ、そんなに素晴らしいところなの?」
「イェッサ~、天国みたいな島だ」
「それ、本当なの? あ~ぁ、あの時に下船したかったなぁ~」
「海に囲まれた島は、常に薫風が吹き樹木は青々と茂る。樹液はたっぷりだ。それに、観光客が多くて、ホテルの残飯はグッディーだよ。むふふ・・」
「なんだよ、にやにやして・・。そのグッディーとは?」
「高級食材の意味さ! クロピーカ、どうだい帰りにハワイへ来ないかい?」
「うん、行くさ。もちろんオイラは行くよ」
「おい、ちょっと待て! 横浜のマダム・イヤーネとの約束は・・。どうするのだ?」

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