その声は、雑音に抗い必死に呼びかける。 「助けて~、私を、ザザー、ガガッ・・助けて、ザザーッ、お願い」 私は声を振り絞って、応えた。 「分かった。ただ、内容を詳しく説明してくれ」 「うん、ガガッ、ガガ~、でも、後で・・」 消えてしまった。 「若月、この車を買った販売店は、どこだ?」 「あ~、... 続きをみる
2018年7月のブログ記事
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「おい、待てよ。その高架橋へ行ってみよう」 「えっ、反対方向ですよ」 「構わん、そこへ案内してくれ」 若月は、渋々従う。一旦、首都高速を降りる。迂回してから再び首都高速を走った。 「そういえば、引っ越したんだっけ・・」 「でも、近い内に、主任の家の方へ越そうと考えています」 「どうして?」 「い... 続きをみる
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しばらく何も起きなかった私は、がぜん興味が湧く。昼食が終わり、社に戻る。 「若月、帰りに家まで送ってくれるか?」 「いいですよ。帰りに呼んでください」 実際の状況を、私は確かめたいと思った。仕事が捗り、定刻で退社する。若月も支度して、私を待っていた。 ビルを出ると、雨は止んでいなかった。仕方... 続きをみる
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私は仕事しながらも、若月のことが気になる。 昼前に、若月がやって来た。 「ちょっと、待っていろよ。直ぐ終わるから・・」 「あっ、ハイ」 一旦、仕事を切り上げ、廊下で待つ若月に声を掛けた。 「さて、昼飯に行くか? 今日は少し肌寒いから、ちゃんぽんでも食べよう・・」 傘を差し、近くの店へ行く。... 続きをみる
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最近は温暖化の所為か、極暑が続く。今年は、梅雨時期が極めて少なかった。長雨は嫌だが、情感を味わう淑やかに降る小雨、身勝手ながら恋しく思う。 そんな私の想いを応えるかのように、朝から雨が降り始めた。現実に降ると、気分が優れない。特に出勤時は、足元まで濡れて仕事に差し障る。出社すると靴を脱ぎ、用意... 続きをみる
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