この作品は、しばらく休憩します。 この先のことを書こうと考えたのですが、夢の中に想像を絶するイメージが現れました。ですから、書けません。申し訳ありません。落ち着いたら、継続します。
夕食を終え、中央の大型テーブルに集まる。それぞれが収集した情報を発表。しかし、予想外に少なかった。 「この内容では、解明ができない」 福沢が首を傾げ、困惑する。 「そうですね。これでは、現地に行っても意味が無い」 私も納得できない。咄嗟に、御堂の顔が浮かぶ。 「御堂さんの情報を待つしかないね」 突然に、研究室のドアがノックされた。全員がドアに目を向ける。 「ごめんください・・」 静まり…
私たちが東都大学の研究室へ行くと、全員が揃って待っていた。テーブルにはピザが用意されて、到着と同時に食べ始める。賑やかな食事会となった。兄貴分の若月を中心に、話が盛り上がる。私は福沢准教授と、その様子を眺めていた。 「ところで、大河内さん。あの件はどうでしたか?」 福沢が心配顔で聞く。私は直ぐに察し、にこやかに答えた。 「先生が、是非会いたいと伝えたら、喜んでいました」 「本当ですか? あぁ…
若月は急ぎ夏帆の所へ行き、幾度も頭を下げ手を合わせた。その様子に、私は独りほくそ笑む。 一日中仕事に追われ、あっという間に退社時間となった。帰り際に、夏帆が近寄り私を睨んだ。 「大河内主任、邪魔しないでね。今日の夕食は、楽しみにしていたんだから・・」 「あ~、ごめん。分かった・・」 一瞬癪に障るが、反面羨ましくもあった。 「主任、行きましょう」 「ほんの前に、お前の所為で睨まれたぞ。殺され…
「えっ、なぜかしら?」 「はい、あなたにとても会いたがっています」 「まあ、そんな・・」 あの世の人とは思えぬ仕草で、顔を赤らめた。 「一度、会ってください」 御堂は俯き、しばらく考える。その様子を眺め、自分でも素敵な女性だと思った。 「会うことは・・、問題無いでしょうけど・・、心を通わせることは、とても危険な行為なの」 「・・・」 「私は下位の世界へ送られ、この世に二度と戻れない。そして、…
料理に堪能し、互いに意見を交換する。しばらくして別れた。 《今からでも、遅くは無いだろう。よし、道祖神へ寄ってみるか》 駅前に出ると、家とは反対方向へ向かう。半時ほど歩くと、例の道祖神を見つける。 《これかな?》 後ろ側を覗くが、痕跡は見当たらない。 《おかしいな・・。この道祖神で間違いないと思うが・・》 人通りが少なく、気持ちが落ち着けない。考え倦んだ末に、帰宅することにした。 「晋介…
その後、一週間が過ぎた。助手たちは、資料集めや情報収集に奔走している。 「あっ、先生。ご無沙汰です」 私が帰宅の準備をしていると、福沢准教授から電話が掛かって来た。会って話がしたいと言う。 「じゃぁ、これからでも・・」 新宿で待ち合わせをする。福沢が推奨する中華飯店へ行く。食事をしながら、福沢の話を聞いた。 「今、畠山君たちが情報を集めています」 しばらく何もなかったので、私も興味が湧い…
「それで、どんな内容なんだね」 畠山が首を傾げ、説明に窮している。 「教授、私が聞いた噂では、夜になると湖面が光るらしいの。それも、ただ光るのではなく、湖底が割れてマグマが噴き出す明るさ」 「それなら、ガスが噴き出すだろう?」 明菜の説明に、福沢が疑問を投げかける。 「ええ、そうなのよねぇ・・」 「僕が聞いた話は、朝になると奇妙な足跡が残っていた。それも、何か所にですよ・・」 福沢が目を閉…
今年の夏は、台風、地震、大洪水、火山の噴火など、自然の変事が猛威を振るう。特に、厳しい酷暑が、日本国内の記録を更新している。 東都大学の研究室内も、エアコンがフル回転。 「教授、この暑さに耐えきれないですよ」 邪鬼対策に窓も無く、密閉状態の室内だ。二年の渡瀬が、不満を言う。 「慣れるしかないだろう。上の五階へ行ってみれば・・」 リーダーの畠山が眉をしかめ、不満の渡瀬をたしなめる。 「えっ…
瞬く間もなく光が消え、静かな洞窟観音に戻った。私たちは、全ての観音像を拝顔し、表に出る。受付けで、ご朱印札を多めに購入し、駐車場の車へ引き上げた。 「皆さん、お疲れ様でした。事が楽に済み、無事で良かった。今日のことは、他言無用です。お願いしますね」 自販機で買った飲み物を配り、飲みながら私が挨拶した。助手たちは安堵の面持ちで、私の話を聞く。次に、福沢准教授が今回のあらましを説明する。 「それ…